いつかやりたいと思っていたこと。

保養キャンプ。

今年、その「いつか」が実現しました。

背中を押してくれたのは、鎌仲ひとみさんの映画「小さき声のカノン」。
それを見て、そのあと、糸島でのお話会の時に「わたし、糸島で保養をやります!」と宣言したのでした。

それがなぜだったかはよくわからない。
ただ、今やらなきゃ、いつまでたっても忙しさを言い訳にしそうな気がしたこと、そして何よりも、何一つ解決しないままなんとなく忘れていくような自分でいたくなかったこと・・・そんないろいろな思いが入り混じって、思わず「やります!」と口にしたのが4月のはじめでした。

不思議ですね。
その後、いろんな人が「一緒にやろう!」と集まり、仲間たちと実行委員会を作りました。
カンパやら食材の寄付やらもあちこちから集まりました。
その度に、「いつか・・・」と思っていたのは私だけではなかったこと、みんな、心のどこかに、やり場のないもやもやを抱えていることを知りました。

そして公募。
初めての募集。糸島という遠い場所、縁もゆかりもないところに、誰が来てくれるのだろう…との一抹の不安は、次々に届く問合せや応募のメール、電話ですぐに吹っ飛んでいきました。
2日目にしてすでに定員に。その後も問い合わせが続き、結局数組の方は受け入れられずお断りしたほど。保養のニーズの高さを実感しました。

一つ一つ準備を重ねて迎えた当日。
お互いに緊張気味だった空港での出会い。
バスで糸島へ。その途端に子どもたちが「散歩行こう!虫取りいこう!」と。
緊張と疲れで硬かった表情が一気に和らぎました。
日暮れの田んぼ道。トンボを負う子どもたち。それを見つめるお母さんたち。
今でもあの景色は、印象的です。
自然の懐の大きさを感じました。
やっぱり、大人も子どもも、大自然の中ではみんな子どもなんだと思いました。

思いっきり自然の中で遊ぶこと。
身体も心もをほぐし、リラックスすること。
自分をゆるすこと。

たくさん笑いました。
たくさん泣きました。

1週間という短い時間の中で、何か大そうなことができたわけではありません。
でも、保養の大切さは痛いほどわかりました。
自然の美しさも、それを身体まるごとで感じる楽しさも、畏れも、受け入れられているという安心感も、私たち人間だけで伝えられるものではありません。
五感すべてで自然を味わってほしい子ども時代から、それを奪っている社会の罪深さ。
その社会に私も生きているということへの自覚。

とても言葉にはできないほどの思いがあふれています。
その一つ一つがとても愛しく感じます。

時間をかけて、ゆっくりでいいから、ぽとりぽとりと、自分の言葉にできたらいいな…と思ってます。

一つだけ、言えること。
やってよかった。
それだけは、強く思います。

出会ってくれたすべての人へ、ありがとう。


追伸:詳細は、FBに報告しています。
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