昨年10月、文部科学省が「放射線などに関する副読本」を作成しました。

この副読本には、数々の問題が指摘されていたのですが、なんと、それが、次年度(4月)から、子どもたちに配布されることになっているようです。

わたしは、糸島市の広報紙(議会だより)で「副読本を糸島市の全児童・生徒に配布予定」ということを知り、市教委に問い合わせたところ、

4月以降配布することが決まっている」ことがわかりました。

もしかして…と思い、福岡市教育委員会にも電話してみましたが、案の定、次年度より使用することが決定しているそうです。


この副読本は内容にも数々の問題があるのですが、2月17日の西日本新聞一面をみて、また、びっくり!


【放射線審議会前会長が反対意見の投稿要請か】

http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/6581/8745


「放射性物質食品新基準案」に「厳しすぎる」と反対意見を送るよう要請(つまりやらせ)したという中村尚司東北大学名誉教授は、例の副読本の作成委員長でもあります。

そんな守るべきものを履き違えた人が作った副読本を、私は、とても信用はできないし、子どもに手渡してほしくありません。


そこで、20日に糸島市教育委員会に直接出向き、


・副読本には内容に数々の問題点があること。

 (放射線は身近にあり、不安を抱かなくてもよいなど、危険性よりもむしろ安全性が強調されている。子どもたちに最も伝える必要がある「年齢が低いほど、放射線への感性は高くなる」ことや今、目の前にある内部被ばくの問題、低線量が長期化した場合の問題などについて、触れられていない等…)

・作成委員長が関わったとされるやらせメールの件を取り上げ、そんな副読本を使用することの問題性について

・糸島市として、放射線教育の目的(なぜ?なんのために?)が明確でないままに、「文科省が作ったものだから」という安易な考えで副読本を使用することの教育者としての無責任さ


についてお話した上で


①副読本の配布はやめてほしい

②放射線教育をするのであれば、「何のため?」という糸島市としての明確な目的として指し示してほしい(それは、「子どもを守る」以外のものであっていいはずはない)。

そのうえで、何を使って何を使わないのか、教材についても再度検討してほしい。



ということを要望としてお伝えしてきました。


が、これは、あくまでも、検討であり、即、副読本の配布中止とはならないでしょう。

ですから、今後、署名を集めるなど、具体的な行動に移したいと思っています。


おそらく、これは、糸島市や福岡市に限ったことではなく、全国的な動きだと思います。

にもかかわらず、それは、保護者はもちろん、現場の教師にすら知らされていません。


まずは、副読本自体の問題性(内容および中村作成委員長のやらせの件)を社会的な問題として取り上げる必要があると思っています。


みなさんも、想像してみてください。
自分の子どもや親せき、近所の子どもたちが、教室で「放射線は自然界にもあって、身近なものであり、安全です。」と習っている様子を…。
そういうことが、これから「教育」という名の洗脳として行われてようとしていることに、私は、大きな不安と憤りを感じます。

学校で配られるものや教師の一言は、私たちが思う以上に子どもへの影響が大きいのです。
「たった副読本」ではなくそれがこれから引き起こすであろう、様々な影響に思いを馳せ、今、やるべきことを果たせる責任ある大人でありたいと思っています。




<参考>


■文部科学省 放射線等に関する副読本掲載ページ

http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/detail/1311072.htm

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111015k0000m040029000c.html


■日々坦々 ウソは感じないけど、ごまかしだらけ~文部省の放射線副読本

http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1257.html