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3月10日(土)、チェルノブイリハート上映会&中村隆市さんトークCaféが開かれました。

なかなかハードな内容の映画に、どれだけの人が集まってくれるのだろう…と、内心、心配していたのですが、何と100名を超す人が集まってくれました!
ありがとうございます。

この映画は、何度見ても、胸が詰まります。
大人の身勝手な選択が、何の罪もない子どもたちに犠牲を強いていること、その影響は今もなお続いているという現実。それがこれからの日本の姿と重なり、心が折れそうになります。
もちろん、この映画で起こっていることが、すべてこれからの日本に起こるぞ!と不安を掻き立て隊わけではありません。
ただ、それが起こってもおかしくないほどの深刻な事故を、この日本で起こしてしまったという現実に、私たち大人はもっと正しい危機感を持って向き合わなくてはならないと思っているのです。

そういう意味でも、この映画が今の私たちに伝えるメッセージは大きいと思っています。

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また、後半は、中村隆市さんをお迎えして、深い話をお聞きしました。

最初に紹介してくださったのは、セヴァン・スズキによる「伝説のスピーチ」
http://www.youtube.com/watch?v=C2g473JWAEg

彼女は、12歳の時に、リオで開かれた環境と開発に関する国連会議(地球サミット)で、集まった世界の指導者たちにこう語るのです。

(前略)

「こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。まだ子どもの私には、この危機を救うのになにをしたらいいのかはっきりわかりません。でも、あなたたち大人にも知ってほしいんです。あなたたちもよい解決法なんてもっていないっていうことを。」

「どうやって直すかわからないものを、これ以上こわしつづけるのはやめてください。」

(略)

「父はいつも私に不言実行、つまり、なにをいうかではなく、なにをするかでその人の値うちが決まる、といいます。しかしあなたたち大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。あなたたちはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、いわせてください。もしそのことばがほんとうなら、どうか、ほんとうだということを行動でしめしてください。」

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このスピーチは、今から20年前に語られたものです。
けれど、ここで語られていることは、そのまま20年たった今にも通じるメッセージだと思います。
また、映画に出てきたベラルーシの子どもたち、そして、福島の子どもたちの思いを代弁するかのような響きさえ感じます。

そう。
環境、開発、エネルギー、戦争、貧困、食糧etc・・・目に見える事象は違っても、その問題の根本にある構造は、すべて同じ。
それは、一部の大人の私利私欲、そして権力と経済を独占したいが為に作られたしくみの中で、何の罪もない市民や子どもたちなどに多くの犠牲を強いているということ。
そして、引き起こしてしまったことに対する責任を一切に取ろうとしない大人の身勝手さと無責任さ、それを容認している社会の歪み。

伝説のスピーチに続く中村さんのお話は、今起こっている原発の問題を、もっと大きな視点でとらえ、その問題の構造に気づくことと、それに対して「おかしい!」と声を上げることの大切さをわかりやすく伝えてくれました。

中村さんの話によると、「1週間の中で、会話の中に社会的な話題が出てきたかどうか?」を世界的に調査したところ、「はい」と答えた人の割合が25%以下の国(つまり4人に1人以下しか話題にできていない)は、問題あり…という統計があるそうなのですが、なんと、日本はわずか6%だったそう。

つまり、原発についても、原発そのものはもちろん大きな問題ですが、私たちの命と暮らし、そして、子どもたちの未来ににかかわるような重要なことを、日常の会話にしてこなかったそれまでの「世間」にも問題があると思うのです。
中村さんは、「これからは、社会的な話題をもっと気軽に会話にできる文化を作ること。一人ひとりが賢く選択していくための力をつけること。そうして、市民力を高めることが大切」とおっしゃっていました。

その他にも、原発は事故が起きなくても危険なこと、ウラン鉱山での被ばくのこと、内部被ばく・低線量被ばくの危険性について、玄海原発とその周辺の健康被害について、CTスキャンなど医療被曝のこと、放射線副読本のこと、食糧汚染のこと、がれきのこと等など・・・話は続き、予定時間があっという間に過ぎてしまいました。

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最後に、冒頭のセヴァン・スズキさんが2児の親になった現在の映像をみせながら、「一人ひとりが自分の暮らしを大切に守り、充実して生きていくこと。」の大切さをメッセージとして残してくれました。


中村さん、集ってくださった皆さん、どうもありがとうございました。

明日は3.11…という日に、こうした場を皆さんと持てたことで、今の現実を直視しつつ、また、前に進む勇気をもらえたように思います。

最後に、アンケートに残された感想をいくつか紹介しますね。

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・映画はじめから、とても胸がつまりました。生きることに真剣にまじめに取り組みたい。本当にそう思いました。知るということは大きなことです。自分が、これから、今からどう生きていくのかで未来は変わると思い、行動していきます。

・映画と中村さんのトークを通して、子どもの未来のためい私たち大人がすべきことは何かを真剣に考えていきたいと思いました。本当に今日は来てよかったです。

・チェルノブイリの現実と、今、日本が置かれている立場をもっともっと多くの方に知っていただきたいです。

・自分の暮らし方(衣食)の在り様をさらに見つめなおしたいと切に思った。

・生活に根差した運動をされている言葉に胸をうたれました。セヴァン・スズキさんのメッセージが感動しました!

・より強く意思を表現していこうと思った。

・大人の責任を果たすことの具体的な行動が明確になった。まずは、年齢の低い子から順に安全な食べ物を!

・子どもや未来に対する大人の責任を感じました。

・おかしいことをおかしいと声を出さない市民。自分はそのひとりであり、意識を変えなければならないということを改めて気づかされました。

・初孫が生まれました。当たり前の暮らしを続けていけるように声を出して、政治の話をしよう!

・未来に責任を持って、原発をどうするか決めるのは我々です。

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また、アンケートを書く時間がなかったから、代わりにブログで報告しました…という方も。

http://umibe-yoga.jugem.jp/?day=20120312



このように、一人ひとりの意識・行動の変化から生まれでてくるものに、明日の希望を感じます。

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